有期雇用契約×試用期間
有期雇用契約の労働者につき、試用期間を設定できるのか?
試用期間中又は満了により解雇できるのはどんな場合か?
労契法17条1項で有期雇用契約の労働者の解雇は「やむを得ない事由」が必要とされている点が問題になります。
東京地判H20.3.7
海外での企画推進、1年間の有期雇用(うち半年が試用期間)、試用期間中に解雇した事案
→①雇用契約の解約権を留保した試用期間を設ける労働条件を設定することも当事者間における私的自治の範囲内における合理的な合意事項として有効、②解雇は有効
東京地判H25.1.31(リーディング証券事件)
証券アナリスト、1年間の有期雇用(うち半年が試用期間)、試用期間中に解雇した事案
→①試用期間は3か月間に限り有効、②解雇には労契法17条1項の「やむを得ない事由」に準じる特別の事由が必要、③解雇は有効
東京高判H28.8.3
労務管理・経理担当、1年間の有期雇用(うち1か月が試用期間)、試用期間中に解雇した事案
→①解雇は解約権を行使する客観的に合理的な理由が存在し、その行使が社会通念上相当として是認され得る場合にのみ許される、②解雇は有効
沖縄地決R1.11.18
日本語教師、2年間の有期雇用(うち3か月が試用期間)、試用期間延長後、満了により解雇した事案
→解雇の合理性・相当性を肯定