弁護士藤村慎也

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営利目的で古物の買取りのみを行う行為は、「古物営業」にあたるか

1)
「古物」とは、①~③のいずれか。
①一度使用された物品
 ・・・「使用」とは、その物本来の目的に従ってこれを使うこと
②使用されない物品で使用のために取引されたもの
③上記の物品で幾分の手入れをしたもの
 ・・・「幾分の手入れ」とは、物の本来の性質、用途に変化を及ぼさない形で修理等を行うこと

 

2)
「古物営業」とは、「古物を売買し、・・・古物を売却すること又は自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うもの以外のもの」とされている(古物営業法2条2項1号)。

営利目的で古物の買取りのみを行う行為は、「古物営業」から除外されている行為(下線部)にあたらないため、「古物営業」にあたると考えられる。

区分所有法改正⑥

【新設】第26条(権限)

2 管理者は、その職務(第十八条第六項(第二十一条において準用する場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金並びに共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金(以下この条及び第四十七条において「保険金等」という。)の請求及び受領を含む。第四項において同じ。)に関し、区分所有者(保険金等の請求及び受領にあつては、保険金等の請求権を有する者(区分所有者又は区分所有者であつた者(書面又は電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)による別段の意思表示をした区分所有者であつた者を除く。)に限る。以下この条及び第四十七条において同じ。)。同項において同じ。)を代理する。

 

管理者に、管理者の職務に関し、区分所有者を代理する権限を付与した。

共有部分の損害保険金、共用部分等について生じた損害賠償金、不当利得による返還金の請求及び受領については、その請求権を有する区分所有者又は区分所有者であった者に限って代理する権限を付与した。ただし、区分所有者であった者で、一定の方法(口頭は不可)により代理権を付与しない旨の意思表示をした者に関しては、管理者に代理権限は付与されない。

 

【改正】第26条(権限)

5 管理者は、次の各号に掲げるときは、遅滞なく、それぞれ当該各号に定める者にその旨を通知しなければならない。この場合における区分所有者に対する通知については、第三十五条第二項から第四項までの規定を準用する。

一 前項の規約によりその職務に関し原告又は被告となつたとき 区分所有者

二 前項の規約により保険金等の請求及び受領に関し原告又は被告となつたとき 保険金等の請求権を有する者

三 前項の集会の決議により保険金等の請求及び受領に関し原告又は被告となつたとき 保険金等の請求権を有する者(区分所有者を除く。)

管理者は、共有部分の損害保険金、共用部分等について生じた損害賠償金、不当利得による返還金の請求及び受領について、区分所有者であった者の代理権限をも有する。管理者が当該請求及び受領に関して訴訟の原告又は被告となった場合に、2号、3号を追加し、「保険金等の請求権を有する者」に対して通知を要することが明記された。

区分所有法改正⑤

【新設】第18条(共用部分の管理)

4 第一項本文の決議により共用部分の管理をする場合において、規約に特別の定めがあるときは、当該共用部分の管理に伴い必要となる専有部分の保存行為等は、集会の決議で決することができる。

5 前条第四項の規定は、前項の決議について準用する。

 

①共用部分の管理をする場合に、規約に特別の定めがあるときは、集会の決議により、専有部分の保存行為、利用、改良行為をすることができる。

規約に特別の定めがあることが必要となる。★管理規約の改訂が必要★

②決議にあたっては、区分所有者間の利害の衡平を図る必要がある。

供託手続の実務上の知識

法人が法務局に供託する場合、法務局が、法人登記事項を法務局のシステムで確認することとなる。このときに、登記申請中だと、法務局は確認不可のため、供託申請を受理してくれない。

急ぎの供託(裁判手続の供託など)をする場合は、

あらかじめ法人登記の申請を控えるとともに、

万が一申請中だった場合には、申請前時点の登記事項証明書(作成日に注意が必要)を法務局に提示する必要がある。

【システム開発】令和4年6月17日 東京地裁/令和6年5月16日 東京高裁

ベンダーI社vs ユーザB社

【責任論】

  • 一審

被告は、その開発手法を誤り、かつ、適時適切な修正、調整を通じてシステム完成に向けたプロジェクト・マネジメントを適切に行うべき義務に違反するという本件業務の不完全履行によって上記のような状態(本件システムの完成が見込まれないものになった状態)を招来したものといわざるを得ず、そうである以上、本件解除までに原告に生じさせた損害を賠償すべき義務があることは明らかである。

一審本訴被告の不十分なプロジェクト・マネジメント(現場からの要求を適切に押し返せずにスコープ・クリープにつながっているが、本来は、併せて業務プロセスのリエンジニアリングを進めるべきであった。)や、△△<PaaS>の経験・スキルの不足(平成28年10月頃になって△△社の技術担当者を配置する等しているが、遅きに失したというべきである。)にあったといわざるを得ない(△△には、標準機能の活用により開発費用や開発時間を圧縮するというメリットもあるものの、本件制約等のデメリットもあるのであって、△△の採用を提案して選定されたベンダとしては、デメリットが顕在化しないよう、適切なマネジメントを行う義務があり、一方、△△を選択したユーザとしてもそれに合わせた業務プロセスのリエンジニアリングを行うという覚悟が求められるというべきである。)

 

【損害論】

1)総損害

①設計・開発フェーズ以降に原告が被告に支払った20億0564万9461円

②Y以外のベンダに支払い又は支払うべき3億2766万3500円

総額23億3331万2961円は、Yによるプロジェクト・マネジメント義務の不完全履行により被った損害

2)過失相殺

一審 X(ユーザ):Y(ベンダ)=15:85

控訴審 X(ユーザ):Y(ベンダ)=10:90

3)責任制限

本件各個別契約上、Yの責任はそのサービスの料金相当額(20億0564万9461円)が限度

4)順番

相当因果関係のある損害→過失相殺→責任制限規定の適用

区分所有法改正④

【新設】第17条(共用部分の変更)

3 第一項の決議により共用部分の変更をする場合において、規約に特別の定めがあるときは、当該共用部分の変更に伴い必要となる専有部分の保存行為又は専有部分の性質を変えない範囲内においてその利用若しくは改良を目的とする行為(次項及び次条第四項において「専有部分の保存行為等」という。)は、集会において、区分所有者の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)の者であつて議決権の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有するものが出席し、出席した区分所有者及びその議決権の各四分の三(これを下回る割合(二分の一を超える割合に限る。)を規約で定めた場合にあつては、その割合)以上の多数による決議で決することができる。

4 前項の決議をする場合において、専有部分の保存行為等の態様又は費用の分担に関する事項を定めときは、決議の対象となる専有部分の区分所有者の利用状況、当該専有部分の保存行為等について区分所有者が支払つた対価その他の事情を考慮して、区分所有者間の利害の衡平が図られるようにしなければならない。

5 共用部分の設置若しくは保存に瑕疵があることによつて他人の権利若しくは法律上保護される利益が侵害され、若しくは侵害されるおそれがある場合におけるその瑕疵の除去に関して必要となる共用部分の変更又は高齢者、障害者等(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成十八年法律第九十一号)第二条第一号に規定する高齢者、障害者等をいう。)の移動若しくは施設の利用に係る身体の負担を軽減することにより、その移動上若しくは施設の利用上の利便性及び安全性を向上させるために必要となる共用部分の変更についての第一項及び第三項の規定の適用については、これらの規定中「四分の三」とあるのは、「三分の二」とする。

 

①共用部分の変更をする場合に、規約に特別の定めがあるときは、集会の決議により、専有部分の保存行為、利用、改良行為をすることができる。

規約に特別の定めがあることが必要となる。★管理規約の改訂が必要★

【定足数】

頭数要件

議決権要件

区分所有者の過半数

※規約でこれを上回る割合を定めること可能

議決権の過半数を有するもの

※規約でこれを上回る割合を定めること可能

【議決】

 

頭数要件

議決権要件

原則

出席した区分所有者の4分の3以上

※規約で、2分の1超~4分の3未満で割合を定めること可能

出席した区分所有者の議決権の4分の3以上

※規約で、2分の1超~4分の3未満で割合を定めること可能

例外

出席した区分所有者の3分の2以上

※規約で、2分の1超~3分の2未満で割合を定めること可能

出席した区分所有者の議決権の3分の2以上

※規約で、2分の1超~3分の2未満で割合を定めること可能

 

②決議にあたっては、区分所有者間の利害の衡平を図る必要がある。

③議決要件が緩和される(定足数は変更なし)場合【表の例外部分】は、共用部分の変更の場合と同じ。

【解雇・退職】ハラスメントによるうつ病療養中の解雇無効

令和7年3月25日横浜地裁判決

 

【事案の概要】

・XはYらの事務員として勤務(期間の定めなし)

・Xはうつ病の診断を受け休業

・Yは休業期間満了をもって解雇

・Xが業務上の疾病による休業期間中の解雇であり解雇無効主張

※不法行為による損害賠償請求もある

【裁判所の規範】

ハラスメントによる不法行為と精神障害の発症との相当因果関係を検討するに当たり、相当厚生労働省労働基準局長「心理的負荷による精神障害の認定基準について」を参照するのが相当。

 

【裁判所の認定】

・Zが発症したうつ病エピソードはICD-10(第5章)のF32に分類される精神障害である。

・対象疾病の発症前おおむね6か月の間に、業務(YAによる暴力、暴言及びセクシャルハラスメント)による強い心理的負荷が認められる。

・その発症が不法行為以外の心理的負荷や同人の個体側要因によるものとは認められない。

・YAの不法行為とXのうつ病エピソードの発症との間の相当因果関係は認められる。

・労働基準法19条にいう「業務上」の「疾病」に当たる。

・Xの休業は、このうつ病の療養のためのものである以上、その休業期間中にXを解雇した行為は労働基準法19条に反するものとして無効である。