マイナンバー×改正:預貯金口座
昨日,「マイナンバーのひも付け義務化,1口座に」というニュースが流れました。
政府は,来年の通常国会にマイナンバー法の改正案を提出することを目指しているようです。
ポイントは,本当に「義務化」されるか,でしょう。
さて,現在,預貯金口座にマイナンバーが紐づけられているのは,どのような場面でしょうか。
金融機関が顧客のマイナンバーを取り扱っている,以下の場面です。
①投資信託等の取引に際して税務署に提出する法定調書の作成のため,顧客からマイナンバーを収集し,取り扱う
②顧客の税務調査や年金事務所による資産調査,預金保険機構によるペイオフのための残高調査に際し,税務署や年金事務所等から問合せがあった時に対応できるよう,預貯金口座の開設時等に顧客からマイナンバーを収集し,取り扱う(この②を一般に,「預貯金口座の付番」と呼んでいます)
今回のニュースで流れたのは,コロナ禍を契機として,災害時の給付金の支給等を簡易にする目的での預貯金口座とマイナンバーの紐づけのようです。
とすれば,金融機関に届け出るというよりは,住民が地方自治体に,預貯金口座とマイナンバーをセットで届け出るということを想定しているのかもしれません。
マイナンバー法の改正の際に常に議論に上がるのは,個人に提供を「義務付ける」かどうかです。
上記②の預貯金口座の付番においても,顧客が金融機関にマイナンバーを提供することは義務ではなく,任意とされています。
今回のニュースのタイトルでは「義務化」と書かれているものもありますが,記事を読むと「任意」とも読めます。
「義務化」の壁は高いので,本当に提供が「義務化」されるのか,提供の方法をどうするのか,マイナンバーを取り扱う金融機関の将来的な実務にも影響を与える可能性があるので,要注目です。